旅報告:東松島公演〜旅のおわり

さて都合三泊した南三陸町を後にして、我々は東松島市に向いました。南三陸町からは車で一時間。すぐに東松島ボランティアセンターに到着し、早速テントの設営を開始。

人間の慣れは不思議なもので、まったくアウトドアに慣れているメンバーがいなかったにも関わらず、テント生活も4日目になると、みな慣れたものであっという間に本日の宿泊場所の設営を終えたわけです。

昼ご飯。

世にも恐ろしい男臭い空間になっております。

東松島公演の公演場所は「大塩市民センター」

大塩地区は東松島市の山手側に位置しており、津波の被害等はなかった地区でありますが、津波の被害が深刻だった東松島市の海側、野蒜や大曲といった場所にお住まいだった被災者の方がこのセンターを避難所とされていました。

現在はこの周辺に大規模な仮説住宅が造られていて、ほとんどの方はそちらに移ったとのこと。

今回のセンターも立派でありがたい限り、下見をすませて、また班を分け、買い出しにいく班、仮説住宅で告知をする班に分かれました。

偶然にもラジオ石巻の生放送で公演告知をさせて頂けることになり、座長杉本と加藤は隣町の石巻に向いました。緊張しながらもなんとか告知をすることができたのち、石巻市の日和山公演に向いました。

日和山公園からの光景。

この写真の右手には大きな工場があったのですが、煙突からすでに煙が上がっていました。立ち上がろうと必死で頑張っている人がここにも沢山いるんだなと改めて実感しました。

皆が活動を終え、テントに戻って来たら夕方になっていました。

夕食を終え、この日は皆草の上にごろごろ横たわり、いつのまにかばらばらと一人また一人とテントにはいって眠っていきました。

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公演当日。午前9時。会場入り。

すぐにセット設営開始。

皆すごいスピードでセットを作っていきます。

照明もつくって、ほぼ設営完了。

リハーサルを終え、あとは会場を待つだけ。

まだ一台も車がない駐車場。

みな不安になっていました。お客さん来てくれるだろうか?だれも楽屋にはおらず、会場とかセンターの入り口をうろうろしていました。

開演15分くらい前になると、この駐車場に一台、また一台と車がはいってきて・・・。

沢山きて頂けました

結局開演時間には、用意した客席いっぱいお客さんが入っていました。

本当にいい公演になったと思います。

演劇に携わっているものとして、それは自己満足なのかもしれませんが、充実感を感じられる舞台になりました。

終演後、「明日からがんばろうって元気をもらえた、ありがとう」そんな言葉をたくさん頂きました。皆呪文のように「よかった、よかった」と胸を撫で下ろすように片付けをしました。

大塩市民センターのスタッフの皆さん、本当にありがとうございました。

終演後。

東京公演からスタートし、東北を回った「東からの凱歌」

もう少し多く東北を回りたかったのですが、予定した場所ができなくなってしまったり諸処の事情がありまして、結果的にこの東松島公演が最終公演となりました。

この日テントにもどり、みんなで缶ビールをかって小さな声で乾杯しました。

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翌日。

テントを撤収した我々は、いわきに向いました。

ずっとメンソウルの友人で、津波で家の一階を流されたものの、最近ついに家を復活させることができた空閑さんを訪ねるためです。

この東北公演の企画は空閑さんがきっかけだったといって過言ではありません。

震災から二ヶ月くらいたった頃、劇団員でボランティアに行ったとき、「やっぱり役者なんだから芝居でなんかやってよ」と励まされたのがつい先日のことのようです。

本当に楽しい夜でした。我々を気遣ってくれてバーベキューを用意までしてもらいました。

空閑さんご夫妻、長谷さん、松本さん、本当にありがとうございました!

杉本はまたも地面で寝てしまい

スピードマン山田はなぜかちょびヒゲになりました。


しばらくこれでいくそうです。

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翌日、我々は東京に戻りました。

そして機材、備品の片付けをして解散し、この旅は終了しました。

 

旅のおわりに、

すこしでも被災地の方を元気づけられたら、娯楽を提供できたら、

そんな想いで回った東北でしたが、どの程度その目標が達成できたかはわかりません。

全然達成できていないかもしれません。

しかし今回のこの旅は、メンソウル・スピードマンのメンバーそれぞれにとって、一生に一度しか経験できないかもしれないような貴重な旅になりました。

被災地でみたもの、出会ったひと、お世話になったひと、全てに今は感謝しています。

我々がボランティアで芝居をしても、ボランティア活動を被災地でしても、けっきょく、そこであった人の温かさや好意に助けられて旅を最後まで続けることができたのだと思います。

東京公演のお客様の応援がなければ旅をすることもできませんでした。

無力な自分達が、無力なりにこの舞台を東京から東北まで公演して回ることができたのも、ひとえに自分達を応援してくれる人がいたからだと今改めて感じます。

この旅報告の最後に、今回のご覧になって頂いた全てのお客様、普段お世話になっている方々、作品にかかわった全ての人に、感謝の気持ちをあらわしたいです。

ありがとうございました!

劇団男魂(メンソウル) 敬具

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